「梅毒」が急増中! 実際の感染者数は報告を大きく上回る可能性

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 なぜ増えているのか?

「かつてはインバウンドの影響ともいわれました。しかしそれはコロナ禍でも梅毒患者数が増えていることを見ると、違うことがはっきりとわかる。梅毒の患者を調べると、男性の大半は性風俗利用歴があり、女性の大半は性風俗の従事歴があった。『若者の草食化』が2000年代後半ごろから指摘され始めましたが、確かに性に消極的な若者が増えてはいるものの、一部は活発に性活動を行っており、治ってはまた感染を繰り返していることが考えられます」

 この梅毒、早期発見・早期治療が肝要なのは他の性感染症と同様に、感染を知らずに性行為をすると、そのパートナーに感染させてしまい、感染拡大につながる可能性があること。また、妊娠中のパートナーが、梅毒に感染した男性からうつされると、母子感染のリスクもある。

「そのため妊婦健診で妊娠初期に梅毒の検査が実施されます。しかしそれ以降に感染すると、診断の機会がなくなります。妊娠時の梅毒感染は、流産・死産、低出生体重や骨軟骨病変などの先天梅毒のリスクを上昇させます。国立感染症研究所の報告では、年間200例を超える妊娠症例が予測されています」

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