Dr.中川 がんサバイバーの知恵

古村比呂さんは親子の絆が深まった がん告知で子供に伝えたい「3つのC」

古村比呂さん(C)日刊ゲンダイ

 パートナーもそう。悪い話はパートナーにしたくないという方もいますが、できるだけ情報を共有するのがいいと思います。親も基本的に同じです。

 ただし、離れて暮らしていたり、認知症だったりすると、事情が異なるため、疎遠さに応じて情報共有の程度を緩めるとよいでしょう。

 あるすい臓がんの50代男性は、自分の死を恐れるのではなく、家族や友人が嘆くことを恐れ、亡くなる前日まで妻や小学生の子供はもちろん、来客とも会話をされていました。私からご家族に説明したことはなく、すべて本人が、私の話した内容をかみ砕いて家族や友人に説明していたのです。ぼくもがんで死にたいと思った、印象深い方です。

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中川恵一

中川恵一

1960年生まれ。東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授。すべてのがんの診断と治療に精通するエキスパート。がん対策推進協議会委員も務めるほか、子供向けのがん教育にも力を入れる。「がんのひみつ」「切らずに治すがん治療」など著書多数。

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