役に立つオモシロ医学論文

大規模イベントの開催は本当にコロナ感染者数を増やすのか

イベント中止より感染を回避する開催方法を議論すべき(C)日刊ゲンダイ

 特に新成人は、19歳や21歳の集団と比較して、成人の日以後に感染者が増加し、2021年では1.27倍、2022年では3.2倍、統計的にも有意に高いという結果でした。一方で、成人式を行わなかった自治体に限定して解析をすると、成人の日の前後で感染者数に統計的有意な差を認めませんでした。

 論文著者らは、「イベントを中止するのではなく、感染を回避するための開催方法を議論すべき」としたうえで、「感染リスクに関する適切な情報を、関係者や地域社会に、効果的に伝えることが重要」と結論しています。

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青島周一

青島周一

2004年城西大学薬学部卒。保険薬局勤務を経て12年9月より中野病院(栃木県栃木市)に勤務。“薬剤師によるEBM(科学的エビデンスに基づく医療)スタイル診療支援”の確立を目指し、その実践記録を自身のブログ「薬剤師の地域医療日誌」などに書き留めている。

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