ヨーロッパで始まったスタイルを取り入れ、12年から国の認知症施策として普及が始まったものとして、「認知症カフェ」があります。
これは、認知症の当事者、家族、地域住民、介護や医療の専門職などさまざまな人が集まる場。地域の人たちが気軽に集まれ、認知症に関する悩みを共有でき、専門職にも相談できる場所になります。15年に国が「新オレンジプラン(認知症施策推進総合戦略)」の中心施策に位置づけたこともあり、急激に数が増えています。
一方、「健脳カフェ」は、認知症カフェとは違い、認知症の予防を徹底する場です。私は認知症研究に長年携わってきましたが、エビデンスのある認知症予防策をいくらみなさんに伝えても、実践する場所がないと、本当の意味で理解してもらえない。認知症を予防したいと考える人と直接触れ合い、ともに行動することで、今後の認知症患者さんを減らしていこうというのが目的です。
認知症治療の第一人者が教える 元気な脳で天寿を全う