認知症治療の第一人者が教える 元気な脳で天寿を全う

その物忘れは正常な老化現象? 軽度認知障害が疑われるのは…

写真はイメージ

「健脳カフェ」は月曜から金曜日、午前10~午後0時半、午後2~4時半で、予約なしでご参加いただけます。特にお勧めは金曜日。10時半までに三々五々集まり、10時半から11時半まで、脳を活性化する体操をみんなで行います。そのあとは、ゲームをしたり、カラオケやマージャンをしたり、学生さんと会話をしたり。学生さんは、旧知の仲である上智大学の松田修教授(老年心理学専門)のゼミ生です。

 学生さんを交えているのは、世代を超えた若い人と会話をすることが、脳の活性化につながるから。自身の若い頃を思い出し、前回の本欄で紹介した回想法にもつながります。若い人以外にも、自分とは異なった生活環境で過ごしてきた人と話すことは、脳の活性に役立ちます。

 最近の参加者では、外国でバリバリ活動してきたが、現役を退いた今は一人暮らし。遠方に住む娘さんからの紹介で、通うようになった男性がいます。学生さんたちと外国のさまざまな話をされるうち、どんどん元気になってきています。

「健脳カフェ」は東京・四谷三丁目にありますが、ゆくゆくはネットでつないだ「インターネット健脳カフェ」とし、住んでいる場所を問わず、多くの人とともに認知症予防に取り組みたいと思っています。

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新井平伊

新井平伊

1984年、順天堂大学大学院医学研究科修了。東京都精神医学総合研究所精神薬理部門主任研究員、順天堂大学医学部講師、順天堂大学大学院医学研究科精神・行動科学教授を経て、2019年からアルツクリニック東京院長。順天堂大学医学部名誉教授。アルツハイマー病の基礎と研究を中心とした老年精神医学が専門。日本老年精神医学会前理事長。1999年、当時日本で唯一の「若年性アルツハイマー病専門外来」を開設。2019年、世界に先駆けてアミロイドPET検査を含む「健脳ドック」を導入した。著書に「脳寿命を延ばす 認知症にならない18の方法」(文春新書)など。

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