東洋医学を正しく知って不調改善

漢方薬にも副作用はあるのか? まれに重大な症状が起こる場合も

王瑞霞氏(提供写真)

 ではそもそも副作用が起こる原因はなんでしょうか。まず挙げられるのが、患者の体質や体力、自覚症状、他覚所見を含んだ東洋医学的診断結果である「証」に合わない漢方薬を服用したためというのがあります。そして附子(トリカブト)や大黄、センナなど作用の激しい生薬の入った処方による副作用、さらには自然由来の植物性生薬成分などによるアレルギーもあります。

 ではこれら副作用を防ぐにはどうすれば良いかといえば、まず長く服用する場合は定期的に肝機能の検査を受けることをおすすめします。そして複数の漢方処方を飲む場合や西洋医学の薬と併用される場合は、必ず専門の医師や薬剤師に相談することです。

 その上で、日々の体調をセルフチェックし、いつにない胃もたれや、下痢、湿疹、痒み、疲れるほどのことをしていないのに疲労感が続いている、などの症状が現れた場合は副作用を疑い、放って置かずに専門の医師に相談することをおすすめします。

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王瑞霞

王瑞霞

日本医学柔整鍼灸専門学校鍼灸学科専任教員。中国山東中医薬大学卒業。中国北京中医薬大学大学院修了。日本大学医学部医学博士。鍼灸師、登録販売士。

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