五十肩を徹底解剖する

心呼吸で胸郭を広げれば肩甲骨の機能が上がり五十肩の痛みにも◎

写真はイメージ

 あばら骨は背面では背骨の一部分である胸椎とつながり、肋椎関節という関節を形成します。また、胸面ではネクタイのような形をした胸骨とつながり、胸肋関節をつくります。これらの関節も体をそらし、呼吸をするときには胸郭の一部として連動して動いているのです。

 また、肋椎関節がよく動くには胸椎の機能も重要です。胸椎は、もともと背中側に向かって曲線を描いていますが、加齢や姿勢不良などで胸椎の動きは硬くなりやすいからです。

 胸郭を動かす筋群は肩甲骨周囲だけでなく、上下に配列するあばら骨同士の間に走る肋間筋や、前面では胸部の筋肉などもあります。

 ネコ背やスマホ巻き肩では肩凝りを生じるだけでなく、胸椎は丸く固まり胸郭も縮こまるので、胸背部の筋肉は働かずに呼吸は浅くなりがちです。深呼吸を入れ胸郭を広げ胸背部の動きを出すことは、肩甲骨の機能が上がり五十肩にも良いのです。

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安井謙二

安井謙二

東京女子医大整形外科で年間3000人超の肩関節疾患の診療と、約1500件の肩関節手術を経験する。現在は山手クリニック(東京・下北沢)など、東京、埼玉、神奈川の複数の医療機関で肩診療を行う。

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