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コーヒーは種類によって健康効果は違うのか? 英国の40万人データを解析

写真はイメージ

 コーヒーは、昔は不健康な飲み物の代表のように言われていましたが、最近の研究により健康に良い効果が次々と報告され、今では1日2~3杯くらいのコーヒーを飲む習慣は、健康に良いことが科学的に認められています。ただ、コーヒーにはレギュラーコーヒー以外に、インスタントコーヒーもあれば、カフェインを抜いたデカフェのコーヒーもあります。その健康効果に差はないのでしょうか?

 今年の心臓病予防の専門誌に、イギリスの大規模な疫学データを解析した論文が掲載されています。40万人以上の住民データを解析したところ、コーヒーを1日5杯くらいまで飲む習慣は、心臓病などの病気のリスクを低下させ、すべての原因による死亡のリスクも低下させる効果が改めて確認されました。

 レギュラーコーヒーでもインスタントでもデカフェでも、こうした健康効果は認められましたが、インスタントとデカフェのコーヒーでは、レギュラーコーヒーと比較するとその健康効果は少し小さなものになっていました。特に不整脈を予防するような効果については、デカフェのコーヒーでは認められませんでした。やはり、カフェインがコーヒーの健康効果に重要な役割を果たしていることは間違いがなさそうですが、カフェイン抜きでも有効性はあり、ニーズに合わせて使い分けることが良いようです。

石原藤樹

石原藤樹

信州大学医学部医学会大学院卒。同大学医学部老年内科(内分泌内科)助手を経て、心療内科、小児科研修を経て、1998年より「六号通り診療所」所長を務めた。日本プライマリ・ケア学会会員。日本医師会認定産業医・同認定スポーツ医。糖尿病協会療養指導医。

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