被験者を2つのグループに分けた上で、Aグループには「古い」「引退」「しわ」「1人」といった高齢者や老人を連想させる言葉ばかりを並べ、それを文法として正しく並べ替えてもらいました。そしてBグループには、中立的な単語ばかりを用意し、正しく並べ替えてもらいました。
実は、この実験では「言葉の発想実験」はカムフラージュで、言葉が被験者たちにどのような効果をもたらすのかこそが本当の狙いでした。
実験終了後、研究チームは2つのグループが、どれくらいの速度でエレベーターまで向かうかをストップウオッチで測ったところ、Aグループの歩行速度は平均8.28秒。一方、Bグループは平均7.30秒だったそうです。異なる被験者30人で追加実験をしたところ、結果はほぼ同じだったといいます。
一緒にいて、「暑い」とか「疲れた」などと何度も口にする友人や同僚がいると、こちらまでドッと疲れが押し寄せる気分になりませんか? 言葉をはじめとした先行する情報があると、脳はその気になってしまうのです。言葉が自分をコントロールする。これを忘れないように。
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