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大坂なおみだけじゃない…米国ではZ世代の4割がメンタルの診断を経験

大坂なおみ(C)ロイター

 Z世代(1997年代〜2012年生まれ)といえば、デジタルネイティブでこれからの消費の中心と期待され、もてはやされることが多い若者世代です。しかし彼らの最大の特徴の1つは、メンタルヘルスの問題に直面していること。それも多くが、自分たちは年長世代よりもずっとメンタルで苦しんでいると訴えているのです。

 データ管理会社ハーモニー・ヘルスケアの調査によれば、この世代の実に42%がメンタルに問題があると診断された経験を持っています。中でも7割がコロナ禍に影響されたとし、症状の診断を受けたのがパンデミック中だっだと答えた人は、4人に1人に上っています。診断で最も多かったのは不安神経症で全体の9割、続いてうつが8割としています。

 ではZ世代はどんな不安を抱えているのか? 最も多かったのはお金と仕事で、9割がお金の不安を感じています。実際に経済的に不安定であると答えた人も、全体の7割近くいました。こうした不安をもたらす外部要因としては、コロナ禍の他にウクライナでの戦争、急激なインフレ、気候変動による大規模災害などがあり、実際にこの世代が大きなチャレンジに直面していることがわかります。

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シェリー めぐみ

シェリー めぐみ

NYハーレムから、激動のアメリカをレポートするジャーナリスト。 ダイバーシティと人種問題、次世代を切りひらくZ世代、変貌するアメリカ政治が得意分野。 早稲稲田大学政経学部卒業後1991年NYに移住、FMラジオディレクターとしてニュース/エンタメ番組を手がけるかたわら、ロッキンオンなどの音楽誌に寄稿。メアリー・J・ブライジ、マライア・キャリー、ハービー・ハンコックなど大物ミュージシャンをはじめ、インタビューした相手は2000人を超える。現在フリージャーナリストとして、ラジオ、新聞、ウェブ媒体にて、政治、社会、エンタメなどジャンルを自由自在に横断し、一歩踏みこんだ情報を届けている。 2019年、ミレニアルとZ世代が本音で未来を語る座談会プロジェクト「NYフューチャーラボ」を立ち上げ、最先端を走り続けている。 ホームページURL: https://megumedia.com

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