「嚥下(えんげ)反射を直接低下させるクスリ」(一部の睡眠薬など)は、咽頭期に影響を及ぼします。前回、咽頭期の“ごっくん”は極めて短時間で起こるとお話ししましたが、実はさまざまな機能が連携したかなり複雑な動きを行っています。
こういったクスリは、咽頭期の連携を鈍らせてしまうので、うまくのみ込めなくなってしまうのです。
「口腔乾燥を起こすクスリ」(抗精神病薬、利尿薬など)は、中枢抑制作用を持つクスリと同様に食道期を除くすべての時期に悪影響を与えます。つまり、「唾液」は“食べる”のさまざまな過程において、非常に重要な役割を持っているということです。次回は“食べる”における唾液の役割とクスリの影響について詳しくお話しします。
高齢者の正しいクスリとの付き合い方