Dr.中川 がんサバイバーの知恵

崔洋一監督が他界…「膀胱がん」の再発チェックはM時開脚で

崔洋一監督(C)日刊ゲンダイ

 当時、黒沢さんが語ったように、この検査は男性にはつらいでしょう。M字開脚であおむけになり、陰茎の先端を消毒して、局所麻酔の入ったゼリーを注入し、膀胱鏡を挿入するのです。痛みはそれほどでもありませんが、看護師の前でこの格好はつらい。

 膀胱がんは喫煙が最大のリスクで、特定の染料など化学物質を扱う人にも発症しやすいことが分かっています。喫煙歴のある人はない人に比べて2倍、現在も喫煙している人は同3.5倍も発症しやすい。

 痛みのない血尿は膀胱がんの重要なサインですが、私は痛みどころか血尿もありませんでした。人間ドックや健康診断で肝臓などのエコー検査を受ける人は多いと思います。そのとき、ついでに膀胱もチェックしてもらうことをお勧めします。

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中川恵一

中川恵一

1960年生まれ。東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授。すべてのがんの診断と治療に精通するエキスパート。がん対策推進協議会委員も務めるほか、子供向けのがん教育にも力を入れる。「がんのひみつ」「切らずに治すがん治療」など著書多数。

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