この冬注目‼ 気をつけたい入浴の健康リスク

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 観光需要喚起策として観光庁が「全国旅行支援」を実施して以来、旅行先として温泉地を選ぶ人が増えている。寒さが厳しい冬の温泉は心身のリラックスに欠かせないものだが、その半面、入浴に潜む健康リスクもあるという。その対策とは?

■温泉は体調や目的に応じて選ぼう

 一口に温泉といっても泉質によって期待できる効果に違いがあるという事をご存知だろうか。例えば刺激が少なく子どもや高齢者にもおススメの「単純温泉」、保温効果が高く高齢者や病気の回復期に適した「塩化物温泉」、さらには、殺菌力が強く慢性的な皮膚病の治癒に用いられる「酸性泉」などさまざまなタイプがあり、それを理解した上で体調や目的に応じて選べば、より確実な効果が得られるというわけだ。

 入浴に健康効果が期待できることは医学的にも明らかにされている。特に注目したいのが以下の7つだ。

●温熱作用…温熱によって体が温まると血管が広がって心臓の動きも強くなり、たくさんの血液が体中を巡るようになる。
●静水圧作用…湯の水圧によって全身をマッサージされた状態になり血流が促進される。
●浮力作用…水中では体重が約10分の1となり関節や筋肉への緊張が緩むことでリラックスできる。
●清浄作用…湯に浸かることで毛穴が開き、汚れや皮脂を流れ出させる。
●蒸気・香り作用…アロマオイルなどを洗面器の湯に垂らせば浴室内に香りが充満し、自律神経の調整に役立つ。
●粘性・抵抗性作用…水中でゆっくりした運動やストレッチをやることで筋肉に刺激を与えることができる。
●開放・密室作用…風呂に入る時間は心と体が開放的になるリラックスのひと時であり、ストレス解消効果が期待できる。

東京都市大学人間科学部 早坂信哉教授
■毎日の入浴が要介護リスクを29%軽減!

 日本は世界でも有数の長寿国だが、日本の入浴文化が健康寿命の底上げに貢献しているという研究結果も報告されている。温泉療法専門医で東京都市大学人間科学部の早坂信哉教授によると、1万4000人の高齢者を対象に行った調査で、毎日入浴している人は3年後に要介護になるリスクが29%も低かったという。

「血の巡りがよくなったり、疲れが取れる他、身体の痛みが和らぐなど入浴により身体機能の低下を防いでいると考えられます。高齢者の入浴は事故や病気に十分注意した上で、介護予防対策として活用していくべきでしょう」(早坂教授)

■冬の入浴は危険がいっぱい!?

 入浴時のリスクとしては心筋梗塞や脳梗塞、浴室熱中症、ヒートショックによる脳出血などがあります。心筋梗塞や脳梗塞は、体内の水分が不足していると、血液がドロドロになり、血栓ができるために引き起こされます。また、浴室熱中症も水分不足で上昇した体内の熱を放出できないことが原因です。

 乾燥する冬は体内の水分が不足している「かくれ脱水」状態になりやすいため、これらのリスクが高まります。そしてヒートショックは、急激な温度変化によって血圧が大きく変動することで起こります。

 特に高血圧の方は注意が必要です。

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■心筋梗塞・脳梗塞・ヒートショック予防に水分&ミネラル補給

 早坂教授によると「1回の入浴で約800mlの水分が体から抜けるため、脱水症状や浴室熱中症を防ぐには水分とミネラルをしっかり補給することが大事です。

 ミネラル入りむぎ茶は水分とミネラルを手軽に補給できるうえ、血流改善効果や血圧低下作用など、健康効果も報告されています。この2つを手軽に補給できるミネラル入りむぎ茶を入浴前・入浴中・入浴後とこまめに飲むようにするといいでしょう」という。

 また、入浴中のポイントとしては、「40度程度のぬるめの温度は副交感神経が刺激され、心身共にリラックスさせる効果があり、血圧が下がるなど効果的です。お湯につかる時間は10~15分がおすすめ。お風呂につかることで得られる温熱効果によって、血流の流れがよくなり、冷えの改善、新陳代謝が活発になることで老廃物の排出、さらに水圧による足のむくみの解消などに効果的です」。

 入浴後については、「急激に皮膚の水分量が減るので、10分以内に保湿することを推奨します。失った水分・ミネラルを補給するため、ミネラル入りむぎ茶を200~300ml飲みましょう」と語った。

■ミネラル入りむぎ茶の「血液サラサラ効果」に注目

 ミネラル入りむぎ茶に心筋梗塞や脳梗塞の対策になる「血液サラサラ効果」があることは、ひまわりクリニック野崎豊院長らが行った共同研究で医学的にも実証されている。

 健常な男性22~23人にミネラル入りむぎ茶と2種類の一般的なむぎ茶を摂取してもらった後、一定量の血液が流れる時間を測定すると、ミネラル入りむぎ茶が最も血液流動性が高い結果を示したのだ。この血液サラサラ効果は血栓対策にも有効だと野崎院長はいう。血液がドロドロだと血栓ができやすくなり、血栓が血管壁を傷つけたり血管を詰まらせたりして恐ろしい心筋梗塞や脳梗塞を引き起こすことになるのだ。

 血管疾患予防の強い味方「ミネラル入りむぎ茶」には、その効果をより高める飲み方があるという。「水分とミネラルは一気に補給してもうまく吸収されずに尿などで排出されてしまうのです。ですから、1時間にコップ1杯程度を目安にしてこまめに飲む『点滴飲み』がお勧めですね」(野崎院長)

 また、水分補給にスポーツドリンクや経口補水液を愛飲している人も多いが、スポーツドリンクは糖分が多く飲みすぎると一過性の糖尿病や肥満のリスクが高くなるし、経口補水液は医師から指示された場合に飲むべきで、一般の人が自己判断で飲用すると塩分の過剰摂取になる危険性があるという。その点、ミネラル入りむぎ茶は手軽にミネラルが補給できる上、無糖でカロリーもカフェインもゼロなので子どもや高齢者でも毎日安心だ。それだけに夏も冬も関係なく、一年中いつでもミネラル入りむぎ茶を飲んで健康な体づくりに役立てたいものだ。

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