「卵巣機能低下による機能性不妊が疑われる」についても、判断が難しい。
「例えば、40歳以上で卵巣の機能がいい人はほぼいません。医学的には機能性不妊となるのですが、保険適用の条件としての機能性不妊は疾患概念があやふやなため、医学的には機能性不妊であっても、保険ではどうなのか迷うところがあります」
■メリットとデメリット
2つの例を出したが、それ以外についてもケース・バイ・ケースが多く、戸惑っている医師が少なくない。
「保険が適用されるメリットは非常に大きい。しかし一方で、保険診療はエビデンスがある治療に限られます。妊娠の分野は未知のことも多く、新しい治療の積み重ねで進歩してきましたが、保険診療となると、実績の少ない最新の治療はできません」