Dr.中川 がんサバイバーの知恵

箱根駅伝で実況の菅谷大介アナはすい臓がん克服…早期発見には管の拡張をチェックする

本人のインスタグラムから

 正月の風物詩といえば箱根駅伝でしょう。そのゴール地点で、駒沢大学が全日本、出雲と合わせて大学駅伝3冠を達成した瞬間を伝えた日本テレビ・アナウンサーの菅谷大介さんは昨年8月、すい臓がんであることを公表しました。人気アナが難治がんを克服したことも話題となっています。

 すい臓がんの5年生存率は、すべてのステージを合わせて12%です。100%の前立腺がん、8割近い胃がん・大腸がんなど治りやすいがんと比べると、厳しい数字となっています。細かい生存率はともかく、皆さんもすい臓がんが難治がんであることは、ご存じかもしれません。

 菅谷さんの良好な経過は、たとえ難治がんでも克服可能であることを物語っています。今回は、そのポイントを紹介しましょう。

 菅谷さんの診断のキッカケは、年に1回の人間ドックでした。腹部超音波検査で異常を指摘されます。それが「すい管拡張」で、すい臓がんを示す重要なサインです。

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中川恵一

中川恵一

1960年生まれ。東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授。すべてのがんの診断と治療に精通するエキスパート。がん対策推進協議会委員も務めるほか、子供向けのがん教育にも力を入れる。「がんのひみつ」「切らずに治すがん治療」など著書多数。

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