東洋医学を正しく知って不調改善

東洋医学における睡眠に対する考え方 心がリラックスした後に体が休まる

(C)日刊ゲンダイ

 東洋医学の古典に、「まず心が眠り、ついで体が眠る」という言葉があります。心・精神がリラックスして安静となり休んだ後に、体が休まるという考え方です。

 良い睡眠のためには、気持ちが落ち着いていることが大事です。その気持ちが「落ち着く」先は下腹部、臍下丹田といわれているところと考えます。これを「気を下げる」といいます。ソワソワ・ザワザワした気持ちや、イライラ・カッカした気持ちは「気が上がっている」状態のため、眠りに落ちていけません。

 さて良い眠りには、生活のリズムが大切です。そのためにも一日の過ごし方や心の持ちようが重要です。夜は心穏やかに静かに過ごし、「今日一日よくやった」と考えるようにします。やり残したことや後悔よりも、できたこと・得たことを考え、その日一日に満足しましょう。

 その上で眠る準備として、大切なことは体の緊張を解くことです。布団に入ったら、深く大きく息を吐き心や体に一日でたまった疲れを吐き出します。

 それを何度か繰り返すうちに、心も体も静まってきます。

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天野陽介

天野陽介

日本医学柔整鍼灸専門学校鍼灸学科専任教員。北里大学東洋医学総合研究所医史学研究部客員研究員も務める。日本伝統鍼灸学会、東亜医学協会、全日本鍼灸学会、日本医史学会、日本東洋医学会所属。

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