健康の「素朴な疑問」

まれだが侮れない「精液アレルギー」 初体験での発症が多い

犬との接触が原因となった可能性も報告されている

 その症状も大事な部分にかゆみが出るものから、じんましん、顔・喉・気道・消化管などが腫れる血管性浮腫、ぜんそく、アナフィラキシーのような全身症状が出る場合もあるようです。精液に触れてから数分~1時間程度で発症し、24時間以内で症状が治まるのが典型例だとされていますが、中には数日から数週間続く例もあるそうです。日本では、第2子を出産後、初めての性交で発症した29歳女性の例など複数報告されています。

 この病気の41%は初めての性交で発症したとの報告があり、どこで精漿に含まれるものと同じタンパク質の刺激に対しての反応が徐々に増大してアレルギー体質になったのか、が問題になります。その有力な原因とされているのが犬の上皮です。犬の上皮に含まれるタンパク質の構造がヒトの精漿の中に含まれるタンパク質のそれと似通っているためにアレルギー反応を起こすというものです。実際、先述した29歳の女性は里帰りした際、実家の犬と接触したことがわかっていて、それが原因となった可能性が報告されています。とはいえ、この病気を発症したすべての女性が犬と接触したわけではなく、現在は原因が不明です。

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