感染症別 正しいクスリの使い方

【ウエストナイルウイルス感染症】似たウイルスの抗体を利用した薬の研究が進んでいる

研究が進むも…(提供写真)

 サル痘を取り上げた前回、同系統のウイルスに免疫を持つことができれば、似ている別のウイルス疾患にも有効であるという「交差免疫」についてお話ししました。ウエストナイルウイルスにおいても、よく似ている日本脳炎ウイルスのワクチンを接種した人から得られる抗体を応用して治療に利用できるのか、研究されています。ただ、現時点では有効なワクチンや特効薬はまだありません。

 アフリカ、中近東、欧州、米州では過去に何度か流行していますが、いまのところ日本では流行したことはありません。ですから、これらの国を訪れる場合には、長袖、長ズボンを着用するなどして蚊に刺されないようにする対策が重要です。

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荒川隆之

荒川隆之

長久堂野村病院診療支援部薬剤科科長、薬剤師。1975年、奈良県生まれ。福山大学大学院卒。広島県薬剤師会常務理事、広島県病院薬剤師会理事、日本病院薬剤師会中小病院委員会副委員長などを兼務。日本病院薬剤師会感染制御認定薬剤師、日本化学療法学会抗菌化学療法認定薬剤師といった感染症対策に関する専門資格を取得。

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