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アメリカは世界でもまれな“公衆トイレ砂漠”…その理由は?

内側から鍵を閉めると外壁のガラスが不透明になる仕組みの渋谷区の公共トイレ/(C)iSTock

 しかし1970年に市が破産寸前になると、管理不能になり多くが閉鎖されました。その後有料トイレの実験が行われましたが、男性用の小便器は無料なのにドア付きは有料という方式だったため、ジェンダー差別だという批判が巻き起こり、全てのトイレが撤去されてしまいました。

 また公衆トイレは、ドラッグ使用やレイプなどの犯罪の巣になるリスクがあることも、駅などに設置されない理由と考えられています。

 一方日本はじめアジア諸国には、公衆トイレは危険で汚い場所というイメージがないことが、アメリカとの大きな違いと指摘されています。

 同記事では、渋谷区に新たに設置された奇抜なデザインの公衆トイレの写真を掲載していますが、こんなすごい物でなくてもいい。公衆衛生の向上のために、少しでもトイレを増やしてほしいというのが、ニューヨーカーの切実な願いです。

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シェリー めぐみ

シェリー めぐみ

NYハーレムから、激動のアメリカをレポートするジャーナリスト。 ダイバーシティと人種問題、次世代を切りひらくZ世代、変貌するアメリカ政治が得意分野。 早稲稲田大学政経学部卒業後1991年NYに移住、FMラジオディレクターとしてニュース/エンタメ番組を手がけるかたわら、ロッキンオンなどの音楽誌に寄稿。メアリー・J・ブライジ、マライア・キャリー、ハービー・ハンコックなど大物ミュージシャンをはじめ、インタビューした相手は2000人を超える。現在フリージャーナリストとして、ラジオ、新聞、ウェブ媒体にて、政治、社会、エンタメなどジャンルを自由自在に横断し、一歩踏みこんだ情報を届けている。 2019年、ミレニアルとZ世代が本音で未来を語る座談会プロジェクト「NYフューチャーラボ」を立ち上げ、最先端を走り続けている。 ホームページURL: https://megumedia.com

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