新型コロナワクチンはなぜ“企画倒れ”なのか 京大医生物学研究所准教授に聞く③

ワクチン接種を受ける対策分科会の尾身会長(代表撮影)

 仮にそうであっても、ワクチン接種後、しばらくすれば抗体は減る。ADEをそれほど恐れる必要はないのではないか?

「そうではありません。抗体全体における中和抗体の割合は低く、時間がたてば非中和抗体ばかりが体内に残って悪い影響が強く出る可能性があるとも考えられます」

 新型コロナワクチン接種者が、非接種者よりもPCR検査の陽性者が多いとのデータは米NY州の12~17歳の子供の100万人データで明らかになっている。日本では、名古屋大学名誉教授の指摘で修正した厚労省データでも2回目接種者は、そうでない人に比べて陽性率が高いとのデータが得られているという。

 世界的にSARSが話題になった2003年ごろ、当時の日本のウイルス学会の重鎮のひとりは「日本ウイルス学会は医業だけの会ではない」と提言し、未知なるウイルスに対して専門分野を超えて対応することを求めたという。日本の新型コロナ対策は医業一辺倒でなく、もっとさまざまな側面から、いま一度検討すべきではないのか。

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