ニューヨークからお届けします。

保守判事の経口中絶薬販売禁止判決でアメリカは再び混乱

ミフェプリストンの錠剤(C)ロイター

 何より20年以上問題なく使われていた薬が突然禁止になるという、前代未聞の事態に驚きと怒りの声が広がっています。

 この判決に対しバイデン政権はすぐさま上告、控訴裁判所が販売禁止を差し止めたため、郵送以外での薬の購入は現時点では可能です。

 バイデン政権はさらに最高裁に対し、影響の大きさを鑑み緊急に審議を行うよう要請しました。

 昨年6月、中絶の権利は憲法では守られていないと判断した圧倒的保守の最高裁が、中絶薬の是非に関していったいどんな判断を下すのか、全米が固唾を飲んで見守っています。

 ところで実は、この薬は日本ではまもなく販売認可が降りるところまで来ています。今回のアメリカでの状況が影響するかどうかは、わかっていません。

2 / 2 ページ

シェリー めぐみ

シェリー めぐみ

NYハーレムから、激動のアメリカをレポートするジャーナリスト。 ダイバーシティと人種問題、次世代を切りひらくZ世代、変貌するアメリカ政治が得意分野。 早稲稲田大学政経学部卒業後1991年NYに移住、FMラジオディレクターとしてニュース/エンタメ番組を手がけるかたわら、ロッキンオンなどの音楽誌に寄稿。メアリー・J・ブライジ、マライア・キャリー、ハービー・ハンコックなど大物ミュージシャンをはじめ、インタビューした相手は2000人を超える。現在フリージャーナリストとして、ラジオ、新聞、ウェブ媒体にて、政治、社会、エンタメなどジャンルを自由自在に横断し、一歩踏みこんだ情報を届けている。 2019年、ミレニアルとZ世代が本音で未来を語る座談会プロジェクト「NYフューチャーラボ」を立ち上げ、最先端を走り続けている。 ホームページURL: https://megumedia.com

関連記事