治療を受けてもよくならない…それは「心臓の肥満」かもしれない

写真はイメージ

 前述したように、TGCVは発見しにくい。心不全や狭心症の治療を続けているがなかなか改善しない場合は、治療薬の早期の実用化にも期待して、まずはTGCVかどうかを確認しておいたほうがいい。

「TGCVが疑われる場合、『心筋脂肪酸代謝シンチグラフィー検査』を受けることが大切です。長鎖脂肪酸を投与してから、心筋細胞内での中性脂肪の分解の程度や消費量を放射線医薬品を使い画像化して調べる検査です。ほかにCTやレントゲン検査で冠動脈全体の動脈硬化の状態を調べたり、中性脂肪の代謝異常と関係している白血球の異常を確認する検査も有効です」

 TGCVがあると、生来健康な人に20代以降から中年までに心症状が出現し、動悸、息切れ、労作時の呼吸困難、疲労感、浮腫などが見られる。深刻な心臓疾患につながる前に早期発見することが大切なので、気になる胸の症状や脂質異常がある人は早いうちに専門医に相談したい。

3 / 3 ページ

関連記事