梅毒の患者は地方で急拡大している…「累計10人未満」は青森、山梨、島根のみに

梅毒感染拡大の背景にはコロナ不況も関係している(C)日刊ゲンダイ

 100~299件で見ると、19年は3県、20年3県、21年3府県と安定していたが、22年は8道県と急増し、今年も7県(神奈川、福岡、埼玉、千葉、静岡、兵庫、広島)となっている。

性感染症 プライベートゾーンの怖い医学」(角川新書)の著者で日本性感染症学会功労会員でもある「プライベートケアクリニック東京」(東京・新宿)の尾上泰彦名誉院長が言う。

■北海道は5年で7倍以上に

「なかでも目を引くのが北海道の増加ぶりです。19年の第21週には43件だったが今年は同時期で320件と7倍以上に増えています。愛知の328件とは僅差で、東京、大阪に次ぐ梅毒感染地になりかねない状況です。届け出の多くが歓楽街のある札幌市保健所管内からのもので、病院を受診した人の多くが性風俗店を利用した後に感染が確認されています。これは札幌に限ったものでなく、大都市を中心にいわゆる性風俗産業周辺で広がっているようです。男性の場合には性器の潰瘍やビランなどの症状で気がつく場合がありますが、女性は気がつきにくく、それが感染拡大の原因のひとつになっているのかもしれません」

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