適度な飲酒による心臓へのプラス効果は他にも考えられます。アルコールには利尿作用があって、飲酒量以上の水分が体内から尿として排出されるといわれています。ただ、アルコールの摂取量がそれほど多くなければ、同時に摂取する水分の量が増えている場合もあり、それなら体が脱水状態に傾くケースは少なくなります。摂取と排出のサイクルが一定に保たれると、自律神経にもいい形で影響を及ぼしてストレスホルモンであるカテコールアミンのバランスも整い、心臓への負担が抑制される可能性もあります。
■心機能が落ちている人は注意
昔から「酒は百薬の長」といわれるように、飲酒は心臓を守ることにもつながるといえるでしょう。ただし、お酒を百薬の長にするためには、やはり適量であることが重要です。ストレスを緩和する、睡眠を誘発する、排尿を促す、食欲を増強するといった作用が、一定のプラスになる範囲でとどまるような量が適量といえます。
上皇の執刀医「心臓病はここまで治せる」