がんと向き合い生きていく

コーヒーとがんの関係…抗がん剤の効果を高めるとの研究も

佐々木常雄氏(C)日刊ゲンダイ

 Kさんはたしかにコーヒーが好きだったのですが、愛煙家でもありました。Kさんのがんはコーヒーよりも喫煙が関係したのではないかと私は思っています。

■よく飲む人は喫煙者が多いという報告

 がんの原因についていろいろな疫学研究報告がありますが、コーヒーとがんとの関係は否定的と考えていいように思います。ただ、コーヒーをよく飲む人に喫煙者が多いとの報告もあるのが気になりました。むしろ、喫煙や受動喫煙(喫煙者ではなく周りの方への影響)が、いろいろながんのリスクとなっているのはたしかです。

「コーヒーを夜に飲むと眠れなくなる」といわれる方が、私の周りにもたくさんおられます。カフェインの取り過ぎは、中枢神経系の刺激によるめまい、心拍数の増加、興奮などの健康被害をもたらすことがあり、注意喚起されています。

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佐々木常雄

佐々木常雄

東京都立駒込病院名誉院長。専門はがん化学療法・腫瘍内科学。1945年、山形県天童市生まれ。弘前大学医学部卒。青森県立中央病院から国立がんセンター(当時)を経て、75年から都立駒込病院化学療法科に勤務。08年から12年まで同院長。がん専門医として、2万人以上に抗がん剤治療を行い、2000人以上の最期をみとってきた。日本癌治療学会名誉会員、日本胃癌学会特別会員、癌と化学療法編集顧問などを務める。

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