がんと向き合い生きていく

食事でがんが消える?肺がんと診断された放射線技師の感想

佐々木常雄氏(C)日刊ゲンダイ

 病院で放射線技師として働いているHさん(49歳・男性)は、肺の検診で要精密検査と判断されました。それを受け、がん拠点病院の呼吸器外科を受診したところ「肺がん」との診断でした。3週間後には右肺の上葉のがんを胸腔鏡で切除することになり、手術や麻酔などの説明書、同意書などをもらって帰宅しました。

 Hさん夫婦に子供はいませんが、近所のスーパーで働いている妻が「お父さん、頑張ろう。早期で見つかって良かったね」と言ってくれて、少し安堵しました。

 その翌日、職場の上司や同僚に手術を受ける旨を伝えて1週間の休みをお願いした時も、みんなが励ましてくれ、ありがたいと思いました。

 Hさんは、これまでたくさんのがん患者の放射線検査に関わってきました。以前は「がん」という言葉はそれほど気にならなかったのですが、いざ自分自身のことになってみると、急にテレビ、新聞、雑誌などで「がん」という言葉が目につき、耳に入るようになりました。

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佐々木常雄

佐々木常雄

東京都立駒込病院名誉院長。専門はがん化学療法・腫瘍内科学。1945年、山形県天童市生まれ。弘前大学医学部卒。青森県立中央病院から国立がんセンター(当時)を経て、75年から都立駒込病院化学療法科に勤務。08年から12年まで同院長。がん専門医として、2万人以上に抗がん剤治療を行い、2000人以上の最期をみとってきた。日本癌治療学会名誉会員、日本胃癌学会特別会員、癌と化学療法編集顧問などを務める。

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