肝機能チェックは「ALT」に注目! 数値が「30」を超えたら飲酒を見直すサイン

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「ALT30は特定健診基準や日本人間ドック協会の保健指導判定値。日本のみの数値ではなく、脂肪肝が特に問題になっている米国でも医師への相談基準となっています」(吉治氏=以下同)

 人間ドックを受ける人の3人に1人が肝障害の指摘を受けるといわれている。しかし、治療を受けている人は少ない。ALTが高いまま放置すると、肝硬変、肝臓がんと進んでしまう。

 10年ほど前までは、肝硬変や肝臓がんの原因はB型・C型肝炎ウイルスが8~9割を占めていた。ところがこれらの治療法が確立された現在は、ウイルス性以外の肝障害が半数以上。特にアルコール性肝障害が増えている。

「ウイルスを排除すれば肝臓がんのリスクは下がりますが、飲酒していれば発症率が高くなります。また、アルコール摂取で分泌されるコルチゾールというホルモンが筋肉を分解するので、飲酒はサルコペニア(高齢に従い筋肉量が減少する現象)を進ませ、その一方でサルコペニアが肝障害の予後を悪くします」

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