それだけでない。消化器系の病気に加え、各種がん、認知症、高血圧、糖尿病、不整脈、脳卒中、うつ病、肺炎、早産など、アルコールで生じる害は多岐にわたる。
WHO(世界保健機関)は「アルコールは30種類以上の病気の原因となり、200種類以上の病気と関連している」と指摘している。
■飲みたい気持ちを抑える薬も登場
ALT>30の場合、まずかかりつけ医を受診。飲酒量が男性1日60グラム、女性40グラム以上、かつ前出のAST、γ-GTPが基準値を超えていれば、アルコール性肝障害疑いとして、専門医のもとでの治療となる。
「アルコール性肝障害では断酒がベスト。しかしハードルが高いなら減酒を目指します」
断酒・減酒ともに、薬物治療がある。減酒のための薬、飲酒量低減薬は、2019年に日本で初めて発売。飲酒の1~2時間前に服用すると、飲酒欲求が抑制される。