時間栄養学と旬の食材

【スルメイカ】朝に食べると体内時計をリセット 筋肉も増えやすくなる

低脂質高タンパクのスルメイカ

 スルメイカは日本で最も多く取れるイカで、「するめ」に加工されることが多く、ケンサキイカから作られたするめに次いで味が良いことから「二番するめ」と呼ばれます。軟骨とクチバシ以外のほぼ全身が利用される食材で、刺し身、焼き、揚げ、煮物、塩辛、干物など多様な調理法で楽しまれています。歯ごたえ、うまみ、甘みのバランスが良く、刺し身や寿司ネタだけでなく、てんぷらや炒め物などさまざまな料理に適している食材として知られています。

 日本は、世界の年間漁獲量の約半分を占めるほど世界で一番イカを消費する国ですが、欧米諸国ではタコと同様に不吉な生き物とみなされるため、イカを食べない文化が浸透しています。ただ、ギリシャなど正教徒が多い東地中海地方ではイカ料理がよく食べられているようです。

 そんなスルメイカのエネルギーは100グラム当たり100キロカロリー程度と比較的低めです。タンパク質は20グラム近くも含むのに脂質はとても低いのが特徴です。タンパク質は骨や筋肉の構成要素として重要な栄養素であるとともに、朝に摂取することで体内時計のリセットにも関わります。また、朝にタンパク質を豊富に取ることで、夜に多く取るよりも筋肉量が増えやすいこともわかっています。その他に、身体の機能や健康維持に役立つミネラルやビタミンも豊富に含まれています。

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古谷彰子

古谷彰子

早稲田大学大学院卒。早稲田大学時間栄養学研究所招聘研究員、愛国学園短期大学准教授、アスリートフードマイスター認定講師。「食べる時間を変えれば健康になる 時間栄養学入門」「時間栄養学が明らかにした『食べ方』の法則」(ともにディスカヴァー・トゥエンティワン)などがある。

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