高齢者の正しいクスリとの付き合い方

加齢で免疫機能が低下すると「帯状疱疹」を発症しやすくなる

写真はイメージ(C)PIXTA

「帯状疱疹」は高齢になるにつれて発症する確率が高くなる疾患で、ウイルスが原因で引き起こされます。ヘルペスウイルスと混同されることもありますが、帯状疱疹の原因になるのは水痘・帯状疱疹ウイルスです。

 帯状疱疹は水疱(水ぶくれ)が名前の通り帯状に出現し、重篤になるとその範囲も広がっていきます。主に上半身に発症します。場合によっては水疱を呈さないこともありますが、ほぼこのような特徴の皮膚疾患とご理解いただいてよいでしょう。

 帯状疱疹の症状の中でもっとも特徴的なのが、「痛み」を伴うことです。それもただ痛いのではなく“ピリピリとした痛み”が現れます。「電気が流れているような痛み」と例える方もいらっしゃいます。帯状疱疹が発現する場所によっては顔面神経麻痺などの合併症を起こすケースもあるので、重篤にならないように治療をする必要があります。

 ウイルスが原因となる疾患なので、治療には抗ウイルス薬が用いられます。抗ウイルス薬には内服薬と注射薬があり、症状が軽度~中等度の場合は内服薬が選択され、その場合は外来での通院加療が可能です。一方、症状が重度の場合は効果がより速やかに得られる注射薬が選択され、こちらは入院加療が必要になります。

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東敬一朗

東敬一朗

1976年、愛知県生まれの三重県育ち。摂南大学卒。金沢大学大学院修了。薬学博士。日本リハビリテーション栄養学会理事。日本臨床栄養代謝学会代議員。栄養サポートチーム専門療法士、老年薬学指導薬剤師など、栄養や高齢者の薬物療法に関する専門資格を取得。

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