Dr.中川 がんサバイバーの知恵

慶大の岸博幸教授が多発性骨髄腫を告白…移植と抗がん剤のつらい副作用

岸博幸氏(C)日刊ゲンダイ

 岸さんはそういうことを知った上で友人、知人を心配させないように気遣ったのでしょう。「この長い顔がハゲになったらどれだけ見苦しくなるかの社会実験しようと思いまーす」と脱毛のみにフォーカスして明るくつづっていますが、高い効果の一方、体への負担がとても重い。

 一般には、大量の抗がん剤と移植の併用は、65歳以下で体調がよい方に限られます。岸さんは60歳。その明るさと気持ちの強さで、ぜひつらい治療を乗り越えてほしいと思います。

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中川恵一

中川恵一

1960年生まれ。東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授。すべてのがんの診断と治療に精通するエキスパート。がん対策推進協議会委員も務めるほか、子供向けのがん教育にも力を入れる。「がんのひみつ」「切らずに治すがん治療」など著書多数。

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