私たちのところに往診の依頼があり、すぐ駆け付けたところ、体温は34度。すでに低体温症となり、意識レベルも落ち、生命の危機といえました。
もしかしたら回復の見込みがないかもしれない。病院で治療するか、または、この後大きく回復する見込みがなく、歩けなくなる可能性もあるなら家で様子を見るか。いずれにしても食事が積極的に取れるわけではなく、高齢であることも考えれば、危機的な状況といえました。
そのことを娘さんに説明すると、このまま様子を家で見るのも忍びないため、病院に一度だけ入院させたいとの希望。そこで私は大学病院に連絡を取り、経過を説明し、温かい点滴を含む低体温症の初期治療を依頼しました。そして、症状が安定したら在宅で引き続き治療することも、病院の先生に約束したのでした。
非常に思い入れのあるご家族でもあり、この続きを次回も取り上げたいと思います。
老親・家族 在宅での看取り方