老親・家族 在宅での看取り方

90代夫婦2人暮らし 認知症を患いつつも楽しく暮らしていたが…

認知症といっても程度はさまざま(写真はイメージ)/(C)日刊ゲンダイ

 認知症といっても程度はさまざまで、日常生活を普通に送ることが難しくない方は少なくありません。

 当院の患者さんで、90代のご夫婦ともが認知症。お2人暮らしをされていました。

 旦那さんは寡黙だけれど明るい性格。日常的に物事をすぐ忘れてしまいます。しかし力仕事はもちろん、それ以外の家事も指示されれば、いろいろなことができます。

 一方、奥さまもおしゃべり好きで、楽しく明るい方。ところどころ覚えていないことが増えてきましたが、家事をこなす分には問題なし。いつも、午前中のうちに家事をすませます。食品など必要な買い出しがあれば、足が悪いので旦那さんに助けてもらいながら、買い物に出かけます。

 お2人には息子さんと娘さんがいます。息子さんは独身。すでに独立しており、日頃は仕事で忙しいため、実家にはたまにしか立ち寄ることができません。

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下山祐人

下山祐人

2004年、東京医大医学部卒業。17年に在宅医療をメインとするクリニック「あけぼの診療所」開業。新宿を拠点に16キロ圏内を中心に訪問診療を行う。

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