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「肩の調子があまり良くない」という患者に見られる共通点

そういえば、以前…

 一般的な肩の脱臼(肩関節脱臼)を放置していたら、いつまでも強い痛みが続き、ときに神経麻痺を起こします。それゆえに、脱臼を整復しなければなりません。

 一方、肩鎖関節の脱臼は、脱臼を起こした直後は痛いものの、次第に痛みは引き、腕も一見、普通に動かせるようになります。そのため、医師も患者も放置しがち。しかし、それは決して勧められるものではありません。

 肩の調子があまり良くないという患者さんを診ると、肩鎖関節脱臼を起こしていた、というケースは珍しくありません。脱臼を起こした時からずいぶん時間が経っているので、患者さんはそのことを忘れているのですが、指摘すると「そういえば、以前……」となります。

 そんな患者さんの共通点として「肩の痛みはそれほど強くない」「しかし頚部から肩にかけて突っ張るような感覚がある」「力が入りにくく、物を上に持ち上げる動作がしづらい」などがあります。一方で、肩の可動域は正常かほぼ正常です。

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森大祐

森大祐

整形外科全般診療に長年携わる。米国トーマスジェファーソン大学で人工肩関節の臨床研究を行い、2000例超の肩関節手術を経験。現在は京都下鴨病院で肩関節や肘関節、スポーツ障害患者に診療を行う。サイトで整形外科疾患の情報を発信。

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