感染症別 正しいクスリの使い方

【はやり目】効果的な薬がないため自然回復を待つしかない

発症は夏に多い傾向がある

 はやり目には潜伏期が1週間くらいあり、まだ症状が出ていないこの期間もウイルスを排出しているといわれています。ですので、発症していない潜伏期の患者さんからも2次感染の恐れがあります。ウイルスが付着した手で目に触れること、ウイルスで汚染されたタオルや洗面器などに触れることなどで感染します。

 人が濃密に接触する機会の多い職場や家庭、眼疾患を持つ患者さんの集まる病院で流行的発症がみられますので、感染者がいる場合には自宅でもタオルは別々にする、お風呂は感染者が最後に入る、手洗いはこまめにするといった注意が必要となります。

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荒川隆之

荒川隆之

長久堂野村病院診療支援部薬剤科科長、薬剤師。1975年、奈良県生まれ。福山大学大学院卒。広島県薬剤師会常務理事、広島県病院薬剤師会理事、日本病院薬剤師会中小病院委員会副委員長などを兼務。日本病院薬剤師会感染制御認定薬剤師、日本化学療法学会抗菌化学療法認定薬剤師といった感染症対策に関する専門資格を取得。

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