科学が証明!ストレス解消法

私たちは過剰に「幸・不幸」の想像を膨らませる傾向がある

幸福感は人それぞれ

 みなさんは、どちらだと思いますか?

 ギルバート氏の答えは、「どちらも変わらない」でした。下半身麻痺になったら不幸に感じるのではないか……多くの方がそう思うかもしれません。しかし、それは「インパクトバイアス」といって、「不幸になるんじゃないか」「失敗するんじゃないか」「不自由になるんじゃないか」という具合に、出来事のインパクトが大きいと、実際はそれほど影響がなくても、過剰に幸不幸の想像を膨らます傾向があるからです。

 実際には、自分が幸せだと考えれば、ものごとのインパクトに関係なく幸せなことは幸せだし、不幸なことは不幸なのです。出来事の大小はさほど関係ない……。つまり、人間は幸福感を自分でコントロールできる生き物なんですね。まったく真実は異なるのに、事の重大さを勝手に決めつけてしまう人間という生き物は、困った生き物であり、身勝手な生き物なわけです。

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堀田秀吾

堀田秀吾

1968年生まれ。言語学や法学に加え、社会心理学、脳科学の分野にも明るく、多角的な研究を展開。著書に「図解ストレス解消大全」(SBクリエイティブ)など。

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