5年ほど前、「慢性副鼻腔炎」の手術をしました。「いやぁ、鼻ってこんなに空気が通るんだな」って、あまりにも衝撃的だったので、その感動を絵にしたら、鼻から新幹線が出てくる絵になりました(笑)。今でも保管しています。
物心ついた頃から鼻の通りが細く、ほぼ詰まっていました。5年前までずっと口呼吸で生きていたのです。
それが当たり前だったので特に不自由を感じることがなく、中学では陸上部、高校では野球部でバリバリ運動もしていました。
幼少期に一度、アデノイド(鼻の奥、上咽頭で細菌やウイルスなどによって起こる炎症)の手術をしたようですが、鼻詰まりは改善しなかったみたいです。でも、口呼吸をしていても口が乾燥してつらいとか、風邪をひきやすいといったこともなかったので、「みんなそんなもんなんだろう」と思ってました。
その認識が少し変わったのは、俳優という仕事を選んでからです。当時所属していた事務所の社長に「蓄膿症か?」と鼻声を指摘されました。「僕は鼻声なのか!?」と意識するようになり、鼻声にならないような発声を習得し、普通の声が出せるようになったんです。
独白 愉快な“病人”たち
鼻から新幹線が…俳優の神木優さんが慢性副鼻腔炎の手術を振り返る
神木優さん(俳優/42歳)=慢性副鼻腔炎