足腰が痛んでしびれる「すべり症」は80代でも手術で治せる

写真はイメージ

 伊藤氏が行った術後の評価調査によると、従来法に比べてXLIF・OLIFは術後の満足度が高かったという。

「従来法だと術後に多少のしびれが残るケースが見られますがXLIFを受けた人は完全にしびれがなくなる人が少なくない。間欠性跛行も改善されるので買い物など日常生活への心配がなくなるほか、ゴルフが趣味な人であれば手術の1年後にはラウンドも可能です」

 腰痛を再発させないためにも、術後は体重管理を意識したい。肥満体形だと椎間板に負荷がかかり続けて腰痛だけでなく、別の部位ですべり症を起こす可能性が高くなる。術後は1日15分程度のウォーキングから始め、運動習慣を身に着けるといい。

 ストレッチも有効だ。

「上半身と下半身を繋ぐ腸腰筋の筋力が低下すると、筋肉が固くなって腰を伸ばせず前傾姿勢になりやすい。そうすると、椎間板に負荷がかかって腰痛だけでなく再びすべり症を引き起こす可能性が高いので、仰向けに寝た状態で足を10回上げる×3回を1日3回程度行うといいでしょう」

 16年、XLIFによる腸管損傷で2人が死亡した医療事故を受け、日本では執刀できる医師や医療施設が厳格に定められている。手術を希望する際は、医師に一度確認するといい。

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