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「変形性膝関節症」に対してPRP療法は効果があるのか

写真はイメージ

 PRP(多血小板血漿)療法は、高いエビデンス(確固たるデータ)が足りない──。

 これまでの連載で触れた通りですが、効果のある治療であるのは間違いありません。

 今回の記事では、2022年に権威あるJBJSという整形外科雑誌でSu医師が発表した論文から、皆さまに役立つ情報を提供します。

 このSu医師の論文では、次の点を挙げています。

(1)膝の軟骨障害、変形性膝関節症に対しては効果のある論文は数多くある。統計解析での結果、有効性はある程度証明されている。

(2)肩の腱の損傷でも同様であるが、効果のある論文は変形性膝関節症より少ない。

(3)テニス肘の治療はPRP療法の有効な論文があるが、統計解析での結果、有効性はある程度証明されている。

 ユーチューブで主に股関節に関する情報を発信する整形外科医、DrJimmy(宇都宮啓医師)は、変形性膝関節症で、ある程度軟骨損傷が進んでいる場合は、PRP療法を受けても軟骨損傷は戻らないと言っています。Su医師の論文でもそう唱えています。

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森大祐

森大祐

整形外科全般診療に長年携わる。米国トーマスジェファーソン大学で人工肩関節の臨床研究を行い、2000例超の肩関節手術を経験。現在は京都下鴨病院で肩関節や肘関節、スポーツ障害患者に診療を行う。サイトで整形外科疾患の情報を発信。

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