東洋医学を正しく知って不調改善

薬膳の基礎知識…「医食同源」「薬食同源」に基づいた食事療法

身近な食材で体の不調を整える(C)日刊ゲンダイ

「医食同源」または「薬食同源」といった言葉をご存じの方も多いかと思います。ともに漢方医学にまつわる用語で、食べるものと薬になるものの源は同じだという意味になり、それに基づいた食事療法を「薬膳」といいます。

「夏バテ防止にウナギや山芋のとろろご飯を食べるといい」とはよくいわれる話。これがまさに薬膳です。何も特別なものを食べることを指すのではない。身近な食材で体の不調を整えようという考えです。

 薬膳を実践する上でぜひ押さえておきたいのが、その食べ物が体を冷やすものか、温めるものか。漢方医学では「寒・涼」と「温・熱」の4つの性質に大別し、これらを「四気」と呼んでいます。冷やす方でも温める方でもないものもあり、これらは「平」または「平性」といいます。

 温める食べ物の代表としては、ネギ、ニラ、ニンニク、ショウガ、シナモン、羊肉(ラムかマトン)。

 冷やす食べ物の代表は、ニガウリ、ナス、キュウリ、ナシ、スイカ。

 一般的には秋冬の野菜や果物は温めるものが多く、春夏の野菜や果物は冷ますものが多い。旬の取れたての野菜や果物を食べることが理にかない、体に良いでしょう。

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王瑞霞

王瑞霞

日本医学柔整鍼灸専門学校鍼灸学科専任教員。中国山東中医薬大学卒業。中国北京中医薬大学大学院修了。日本大学医学部医学博士。鍼灸師、登録販売士。

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