「専門医」と「一般医」は何が違う? 医療機関の看板だけではわからない

「しんクリニック」の辛浩基院長(提供写真)

■「クリニカルイナーシャ」にも違い

 患者として気になるのは、専門医と一般医とで診療に大きな違いがあるのか、だ。

「一般医の中には、長いキャリアがあり、わざわざ専門医資格を持つ必要はないと考える人もいて、必ずしも専門医資格を持っている医師が優秀であるとは言い切れません。ただし、一般的には専門医資格のある医師は、一般医に比べて『クリニカルイナーシャ(臨床的惰性)』が少ないと言われています」

 クリニカルイナーシャとは「治療目的が達成されていないにもかかわらず、治療が適切に強化されていない状態」を指す。その原因は医療者側、患者側、医療システムなどにあり、その項目も多岐にわたる。

 たとえば、糖尿病治療においてのクリニカルイナーシャは医療者側からは医療費がアップすることへの懸念、副作用への懸念、患者の管理能力への懸念などであり、患者側からは血糖マネジメントが困難になることへの認識不足、薬が増えることへの懸念、医療費アップへの懸念など。医療システムからはガイドラインの欠如、患者への積極関与の欠如などがある。

3 / 4 ページ

関連記事