時間栄養学と旬の食材

【甜菜】豊富なオリゴ糖が腸内環境を改善…アトピーにも良い

「砂糖大根」とも呼ばれる

 甜菜(テンサイ)はもともとドイツで生まれた作物で、主にヨーロッパで生産されています。日本ではそのほとんどが北海道産。葉中で砂糖を作り、それを大根に似た根に蓄えるので「砂糖大根」とも呼ばれますが、大根とは別の植物で、生で食べられることはほとんどありません。

「てんさい糖」というと茶色の砂糖をイメージする方も多いと思います。しかし、甜菜から作られる砂糖にはいくつかの種類があり、精製された白いグラニュー糖や上白糖も存在します。一般的に、てんさい糖と呼ばれる茶色い砂糖は、甜菜の蜜を含んだ「てんさい含蜜糖」(以下、てんさい糖)です。まろやかな甘さとコクがあり、近年その健康効果が話題となっています。

 てんさい糖を白い砂糖と比較すると、エネルギーはほぼ変わりませんが、カリウム、カルシウム、リン、マグネシウム、亜鉛などの天然のミネラルやオリゴ糖などの栄養成分を含んでいることがわかっています。これは、製造過程の中で一部の栄養成分が残るためです。製造方法や土壌や気候条件によって、その成分が若干変化することもあります。

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古谷彰子

古谷彰子

早稲田大学大学院卒。早稲田大学時間栄養学研究所招聘研究員、愛国学園短期大学准教授、アスリートフードマイスター認定講師。「食べる時間を変えれば健康になる 時間栄養学入門」「時間栄養学が明らかにした『食べ方』の法則」(ともにディスカヴァー・トゥエンティワン)などがある。

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