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肩や膝に万能細胞を大量注入する「幹細胞治療」は1回100万~300万円

写真はイメージ

 これまで紹介してきたPRP療法は再生医療の一つですが、それとは別の再生医療についてお話ししたいと思います。幹細胞治療といいます。

 幹細胞とは、失われた細胞を再び生み出し、補充する能力を持つ細胞です。皮膚や血液のように絶えず入れ替わり続ける組織を保つために、働きます。これら幹細胞を、症状のある組織(膝、肩など)に注入する治療が幹細胞治療となります。

 幹細胞といってもいろいろな種類の細胞がありますが、代表的なものが「間葉系幹細胞」。骨髄、脂肪、臍帯(さいたい)、乳歯髄などに含まれている可能性が高いことがわかっています。

 間葉系細胞は、さまざまな細胞に分化(違う機能をもつ細胞へ変わりゆく様)していく万能細胞であります。必要に応じて形を変えられる、スーパーな能力をもつ細胞といえるでしょう。

 この万能細胞を大量に注入するのが幹細胞治療です。Aという指令では骨、Bという指令では脂肪、Cという指令では軟骨になる……。ただその指令はいつ来るかわかっておりません。つまり治療者がコントロールできるわけではありません。

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森大祐

森大祐

整形外科全般診療に長年携わる。米国トーマスジェファーソン大学で人工肩関節の臨床研究を行い、2000例超の肩関節手術を経験。現在は京都下鴨病院で肩関節や肘関節、スポーツ障害患者に診療を行う。サイトで整形外科疾患の情報を発信。

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