10月25日付の本コラムで、「薬膳」を取り上げました。薬膳の基礎知識として、体を冷やす「寒・涼」と、体を温める「温・熱」の4つの性質で食品を分類する「四気」を紹介したのですが、もうひとつ押さえておきたい基礎知識として「五味」があります。
「五味」は、酸・苦・甘・辛・鹹(塩からい味)の5つの味を指します。薬膳的考えでは、酸味は肝に、苦味は心に、甘味は脾(胃腸)に、辛味は肺に、鹹味は腎にと、それぞれ通じると考えられており、各臓器の機能を良くするために「五味」の中から食品を選ぶことはよくあります。
また、もしもそれらの臓器に何かの異常があれば、各臓器に通じる味の飲食物を好んで食べたがる傾向があるともされています。それだけでなく、そもそも5つの味にはそれぞれの効能や効用があると考えられています。次に五味が持つ効能と代表的な食べ物を紹介します。
東洋医学を正しく知って不調改善