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整形外科領域で「幹細胞移植」が効果を十分に得られないケースとは?

(写真はイメージ)

 そして、膝の軟骨損傷で軟骨の再生を期待して幹細胞を投与しても、Cという指令がないとダメなのですが、その指令が必ず発令されても膝になるとは限りません。そのため、幹細胞移植を受けたものの、効果が十分に得られないというケースが起こり得るのです。自費診療ですので、出費の額と治療効果が釣り合わなかった、となりかねません。

 特に軟骨損傷では、程度がひどすぎる場合には軟骨が元に戻ることはほぼ見たことがないといわれています。次回は脂肪幹細胞の臨床成績に関する研究を紹介します。

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森大祐

森大祐

整形外科全般診療に長年携わる。米国トーマスジェファーソン大学で人工肩関節の臨床研究を行い、2000例超の肩関節手術を経験。現在は京都下鴨病院で肩関節や肘関節、スポーツ障害患者に診療を行う。サイトで整形外科疾患の情報を発信。

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