アトピー性皮膚炎の新薬はこれまでと全然違う…従来薬が効かなかった患者も効果を実感

「アトピー性皮膚炎」の治療薬はめまぐるしい進歩を遂げている

 アトピー性皮膚炎の治療の流れは、基本はまず外用薬、それで症状のコントロールが不十分なら注射薬や内服薬の全身療法薬。生物学的製剤やJAK阻害薬の対象となるのは、従来の治療薬では十分な効果が見られなかった中等症から重症の患者だ。対象年齢は薬によって異なり、小児でも使える薬がある。

■切れ味が良く副作用が少ない注射薬

 数ある新薬の中でも、アトピー性皮膚炎の治療を行う医師の中で評価が高いのは、デュピクセント。

「切れ味がよく、副作用が少ない。私の患者さんでは、1回の注射で7~8割の方に何らかの改善が見られています」

 このデュピクセント、注射の投与は2週間に1回。15歳以上が対象だったが、今年9月から、生後6カ月以上が投与可能になった。

「注射薬という点がハードルの高さになるかと思っていました。しかし実際はそうではない。注射針を『刺す』というより『押し付ける』仕様で、成人はもとより、小児でも抵抗が少ない。それ以上にかゆみや皮膚のボロボロした感じがつらく、それらが抑えられるなら……という声をよく聞きます。別の薬の治験になりますが、親御さんにとっては『かゆくてかきむしっているのを見る方がつらい』と感じている。乳幼児への投与はこれからですが、需要は少なくないだろうと考えています」

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