アトピー性皮膚炎の新薬はこれまでと全然違う…従来薬が効かなかった患者も効果を実感

「アトピー性皮膚炎」の治療薬はめまぐるしい進歩を遂げている

 小西院長が言う。

「デュピクセントは、病気の原因物質に働きかけるようバイオ技術を用いて製造された生物学的製剤です。アトピー性皮膚炎のかゆみや炎症を引き起こすサイトカインの働きを抑制し、アトピー性皮膚炎の症状を出にくくするのです。デュピクセント以降、生物学的製剤が2種類、登場しています」

“2種類”とは、ミチーガ、アドトラーザだ。いずれも注射薬になる。デュピクセントとミチーガは指導を受ければ在宅で自己注射できるが、アドトラーザはそれができないので、2週間に1度、注射を受けに病院に行かなければならない。

 また、細胞の内側にある酵素(JAK)の働きを抑え、炎症を抑えるJAK阻害薬も複数登場している。JAK阻害薬は生物学的製剤と異なり、内服薬となる。

「大人のアトピー性皮膚炎は重症化しやすく、再発頻度が高く、長期に及んで発症しやすいため、真面目に治療に取り組んでも十分な改善を得られない患者さんが少なくありませんでした。そういった方々が新薬で劇的に改善するケースを、18年以降、数多く経験しています」

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