健康長寿に役立つ高齢薬膳

【クローブ】体を温める働きで過剰な水分を発散し鼻水を改善

鶏肉と黒豆のクローブ煮(提供写真)

 中医学において、鼻水は体内に余分な水がたまり、鼻からあふれ出ると考えます。また、透明で水っぽくサラサラの鼻水は、体が冷えていることが大きな原因。よって、体を温めて過剰な水分を発散することが対策となります。

 おすすめはクローブ。カレーや肉の煮込み料理によく使われるスパイスです。インドネシアのモルッカ諸島原産のフトモモ科チョウジノキのつぼみを乾燥させたもので、クギ状の形をしています。中国では丁子と呼ばれ、体を温める優れた働きがあり生薬としても使われています。冬には積極的に取り入れたいスパイスです。

 お腹を温めて、胃腸の消化機能を高める効果も大。冷えによる胃の痛み、食欲不振、吐き気、下痢にも威力を発揮します。虚弱体質の人は、おおむね胃が弱く冷えているケースが多いため、日ごろからクローブを取り入れるといいでしょう。

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池田陽子

池田陽子

薬膳アテンダント・食文化ジャーナリスト・全日本さば連合会広報担当サバジェンヌ。国立北京中医薬大学日本校(現・日本中医学院)で国際中医薬膳師資格を取得。近著「1日1つで今より良くなる ゆる薬膳。365日」が好評発売中。

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