自分のためにも、家族のためにも、がん患者は仕事を続けることが肝心で、森永さんが仕事の継続を強くアピールされたことの重要さが分かったと思います。仕事の継続は、生活費や治療費を工面する経済的な側面だけでなく、生きがいにも結びつくのです。
抗がん剤も放射線も、通院で受けられることが多く、胃がんや大腸がんなど多くのがんで早期なら入院期間も1週間ほどで済みます。私の膀胱がんの手術での入院期間は4日でした。そういうことを頭に入れておけば、治療と仕事の両立が決して難しくないことも分かるでしょう。がん患者にとって、仕事と治療はどちらかひとつの選択ではなく、両方とも続けていく生活の工夫が求められるのです。
Dr.中川 がんサバイバーの知恵