感染症別 正しいクスリの使い方

【エムポックス】日本で初の死亡報告 不特定多数の人と密接な接触は避けたい

エムポックスウイルス(CDC提供・共同)

 エムポックスに対しては、日本国内で利用可能な薬事承認された治療薬はまだありません。そのため感染予防が重要で、不特定多数の人と密接な接触をしないことが大切です。感染した人の唾液の飛沫や体液、皮膚の病変などを介して、ほかの人への感染が起こります。感染者の多くで男性同士の性的な接触があったことが確認されました。ただ一方で、女性の患者も確認されていて、密接な接触によって誰もが感染する可能性があります。

 タオルやシーツなどを介した医療従事者の感染の報告があるため、手洗いや手指の消毒を行うことも重要です。感染者が使ったものは手袋などを着用して直接的な接触を避けて洗濯などを行う必要があります。

3 / 3 ページ

荒川隆之

荒川隆之

長久堂野村病院診療支援部薬剤科科長、薬剤師。1975年、奈良県生まれ。福山大学大学院卒。広島県薬剤師会常務理事、広島県病院薬剤師会理事、日本病院薬剤師会中小病院委員会副委員長などを兼務。日本病院薬剤師会感染制御認定薬剤師、日本化学療法学会抗菌化学療法認定薬剤師といった感染症対策に関する専門資格を取得。

関連記事